「FPD設備投資動向」 2018年2月
昨年末から年明けにおいて、FPDの設備投資の動向で以下、認識が変わった。
まず第一はいわゆるG10.5ライン投資の実態。
昨年末までは事実上、合肥、深圳、坡州の3か所の案件だけが本格化という認識だったが、
今年にってから武漢と広州の投資も具体化したという認識に変わった。
G10.5投資案件でのチェックポイントは露光機の確保とマザーガラス工場建設(あるいは改造)計画の有無だが、
後者の2案件も実際に動き出したという印象である。
これにより、65型や75型LCDの増産、4k品から8k品への展開が数年後に見えてきた。
同時にG8ラインの需要不足→G7~G5ラインへのしわ寄せもこれから本格化すると感じている。
二つ目はOLED投資の変化。
スマホ用OLED需要の直近の失速を受けて、いくつかのG6投資が見送りまたはキャンセルになった模様。
失速の原因は、多くのアナリストが指摘しているように、樹脂基板を採用したフレキシブルOLEDの高コストと
韓国S社以外のフレキシブルOLEDの低歩留(→供給不安)だろうと推測する。
その中で個人的に注目するのは、樹脂基板でなくガラス基板をつかったいわゆるリジッドOLEDへの切り替え度。
ほとんどのG6投資はフレキシブルOLED用だが、それらでもしリジッドOLEDへの転換を行えば、
相当な数の低コスト品が潤沢に供給される可能性が高いと思っている。
FPDの市場調査を26年続けてきた当方の経験からいえば、
この市場は「諸行無常」を最も体現した市場のひとつであり、
「オセロゲームでの̚カドの石が白から黒へひとつ変わる」のと同様に、
キーポイントの状況(重要な要素技術だったり、商品の販売形態だったり)がひとつ変わるだけで
局面がガラッと変わる。
そういう目でこれらの投資動向を見ていき、その影響度も自分なりに理解していきたいと思う。
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